プロジェクト管理をNotionに移行した話

林欣朋
Dec 13, 2022

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CyberAgent Ameba事業本部広告プロダクト開発責任者の林です。

昨年(アドベントカレンダー2021)に引き続き、僕が所属するCyberAgentメディア広告プロダクト横軸組織のアドベントカレンダー2022を開催していて、13日目の記事になります。

今日はタイトルにある通り、プロジェクト管理を完全にNotionに移行したので、どのようにNotionを活用しているかを簡単にお話したいと思います。

2020年のアドベントカレンダーでAmeba広告の開発風景についてお話したのですが、このとき紹介したように、これまではプロジェクト管理(施策管理)はAsanaで行い、ドキュメントはesaに記載するという形でやっていて、正直このやり方に大きな不満があったわけではないのですが、Notionが異常に便利すぎることに気づき、プロジェクト管理Notionで出来るじゃん!そしたらドキュメントと一本化出来るじゃん!ということで今回はまずプロジェクト管理の部分をNotionに移行しました。

もはや僕が説明するまでもないのですが、Notionは単なるドキュメントツールではなくて、Notionのトップページにも下記のような記載があるように、チームでの活動のすべてを管理出来ると言っても過言ではないと思います。

Notionには様々なテンプレートが用意されていて、プロジェクト管理用のテンプレートもあったのですが、今回は自分が使いやすいようにカスタムしたかったのでテンプレートは使わずに一から作っていきました。

今回作ったプロジェクト管理はテーブルを駆使して作っていて、NotionのテーブルはDBのようにリレーションという機能を使って関連付ける事ができて、いくつかのテーブルを関連付けて一つのプロジェクト管理ツールとして使えるようにしているので、エンジニアの方には一番わかりやすいER図を作ってみたのでこちらを見ていただければ全体構成が一発でわかると思います。

ER図

プロジェクト管理

プロジェクト名、オーナー、概要、期間というプロパティを用意しています。下記はサンプルで、何らかのプロジェクトが立ち上がったらプロジェクトオーナーを決め、プロジェクト管理に追加します。

プロジェクトテンプレート

プロジェクトページでは関連する施策や関連するミーティングの議事録が確認出来るように、下記のように施策管理と議事録のビューを配置しています。これを各プロジェクトで同じフォーマットとなるようにテンプレートを作成するのですが、テンプレート内でフィルターを設定しておき、プロジェクトで「プロジェクトテンプレート」を指定しておくと、このテンプレートを使用して新規作成されたプロジェクトのフィルターが最初から設定されているページが作成出来ます。

テンプレートを使用して作成したプロジェクトページ

システム刷新プロジェクトのフィルターが最初から設定されているビューがあるページが作成されます。Notionの便利なところのひとつなのですが、このフィルターが設定されている施策管理のビューで新規で施策を追加すると、施策管理のプロパティにあるプロジェクト管理にはこのプロジェクトが自動で入力された施策が作成されます。

ロードマップとカレンダー

タイムラインビューとカレンダービューを用意しておくことで、プロジェクトロードマップとプロジェクト内の施策がいつ完了するかをカレンダーで確認出来るようにしています。

施策管理

施策名、担当、開発・対応期間、対応完了日、ステータスとプロジェクトへのリレーションを用意しています。対応完了日は関数プロパティになっていて、開発・対応期間の終了日が対応完了日に入るようになっています。

※ 上記のタイムラインビューでは開発・対応期間が表示され、カレンダービューには対応完了日が表示されるように設定しています。

施策テンプレート

施策テンプレートにはPRD(Product Requirements Document)のテンプレートを用意しておき、施策を始めるときに必要な項目を記載します。また、タスク管理、ABテスト管理、議事録のビューを配置し、この施策に関連するタスク、ABテスト、議事録を確認出来るようにしています。

実際に施策を作成して、タスクとABテスト、議事録を追加すると、下記のように施策ページ内に関連する情報がすべての集約されている状態を作れます。

全プロジェクトの進行管理

これまで説明してきたように、プロジェクトを作成するとそのプロジェクトページ内で関連する施策を確認出来るようになっていますが、複数のプロジェクトをまとめたチーム全体の施策状況も確認したくなると思います。その場合は、下記のように管理用のプロジェクト(FY2023_1Q)を作成します。

今回は、FY23第一四半期(2022–10–01〜2022–12–31)用の管理用プロジェクトを作成しています。

ページ内は下記のようになっていて、1Q全体の施策と各月の施策を確認出来るようにしています。ロードマップのビューはグループ化という機能を使って、プロジェクトごとに施策が並ぶようになっています。

今回実は紹介していないですが、施策管理にはその施策での想定インパクト(日の売上)とリリース後に実際のインパクトがどれくらいあったかを記載するプロパティを用意していて、管理ページの中で、各月の売上目標に対してどれくらいの進捗であるかを可視化出来るようにし、目標達成に向けた議論をこのページベースで行っています。

Notion化のメリット

簡単ではありますが、Notionでのプロジェクト管理をどうやっているか説明してきましたが、これまでのやり方と比べたときのメリットを挙げていこうと思います。個人的にメリットしかなかったのでメリットだけになります笑。

施策、ABテスト、議事録が一元管理出来るようになった

これまでは、Asanaで施策とABテストをそれぞれ管理し、議事録はesaに記載していたので、あるプロジェクト、もしくは、ある施策に関連するミーティングの議事録は直接紐付いていませんでした。Notion化することで、プロジェクト内や施策内で行われた議論も紐づく形で管理できるので、施策ページを見るだけでそこにすべての情報があるという状態を作れました。

プロジェクトごとの施策管理と全体での施策管理が楽になった

Asanaでもプロジェクト単位で施策を管理してましたが、全プロジェクトの施策を一箇所で確認したい場合、施策に本来のプロジェクトと全体管理用のプロジェクト2つを紐付けるという運用をしていて面倒でしたが、上記で説明したように、Notionの場合は管理用のページを作り単に施策管理テーブルのビューをグループ化し、プロジェクト単位で見れるように出来るようになり、わざわざ紐付けるという運用が不要になりました。

目標に対する進捗がわかりやすくなった

今回説明していないのでイメージを持ちづらいかもしれないですが、先程も話したように、施策には想定インパクトのプロパティを用意し、ビューの中で全施策のインパクトを合算出来るので、今積み上がっている施策が想定通りリリースされた場合のインパクトを出しやすくなりました。また、目標進捗も別のテーブルを用意してプロジェクトページ内でビューを参照出来るので、これまで以上に目標に対する進捗を意識した開発や議論ができるようになりました。

今後、より情報を一元管理出来る可能性

今回はプロジェクト管理だけをNotion化したので、機能仕様や運用資料などはまだesaにある状況ですが、これもNotionに移行できれば、上記で挙げたような一元管理されることのメリットをより享受出来るようになると思います。

個人目標管理との親和性

現状メンバーの目標管理はHRBrainというツールを使っているのですが、目標に対して実施した施策を紐付ける場合は、ひたすらAsanaのリンクを貼ることになるのですが、これをNotion化すると、個人の目標管理ページに施策管理テーブルのビューを用意し、自身が期間内に担当した施策をフィルターしておけば、目標達成のためにどんなことをやったのかがひと目で分かる状態を作れそうです。

まとめ

こんな感じで思い立ってプロジェクト管理をNotion化したのですが、想像していた以上のことが実現できてNotion素晴らしいなと日々感じています。
過去、ドキュメントツールもタスク管理ツールもいろいろなものを使ってきましたが、どんなドキュメントツールよりも、どんなタスク管理ツールよりもNotionが圧倒的に良いツールだと感じていて、この先数十年のデファクトスタンダードになるのではと思っています。

ぜひ皆さんもNotionを使いこなして、よりよいプロダクト開発ライフを送っていただけたらと思います。

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